空手の型ナイファンチ(ナイハンチ)の解説をはじめる前に、「正中線と丹田を鍛えることが、強くなるための必要条件」ということを前回、記しておきましたので、まずは「正中線と丹田」について説明をしましょう。

大塚博紀師は「身体の中心の感覚」を極意の一つとしてあげています。

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■「正中線と丹田」で達人への道が開ける!

「身体の中心の感覚」がまさに「正中線と丹田」ということになります。

そこで武道で極意を体現するということを、生物学での進化論から考察してみましょう。

人間が動物の一種でありながら、動物を超える存在と成り得たことの出発点の一つは、完全直立二足歩行です。

そして人間は大自然(宇宙)が進化、向上をしているしているのと同様に進化、向上をして完全なる人間になる事が生きることの目的であり理由なのです。

ところが、人間は二本足で立つようになって形体上の進化はほぼ終わりましたが、完全直立二足歩行はその機能については完成されたものでなく進化の途上なのです。

この完全直立二足歩行を機能面で最高に進化、向上させるために必要なのが「正中線と丹田」です。

「正中線と丹田」が機能すると人間の心身の機能のすべてが変化してしまい、武道を極め達人への道が開けてくるのです。

■「重力」という働き

二本足で立つことに完全に適応できていないということは、自然に立つことができないということを意味しています。

なぜなら、人間の形態を進化させてきたのは、まさに、自然の法則なのですから、その自然の法則との適否が、人間が二本足で立つための決定的な要素になるはずだからです。

それでは、人間の形態に最も影響を与えている自然(宇宙)の法則とは何でしょうか?

それは「重力」です。

しかし、あまりに当たり前のものは知覚できないという人間の知覚の特性から、ほとんどの人が「重力」という働きのもつ意味、重要性について気づいていないのが現状でしょう。  

「重力」がなければ、地球上にいるすべてのものは、地球上に存在することはできません。

心身ともに、どっしりとした安定感を得るには、まず、自分の「重さ」を感じることから始めなければなりません。

自分の外側の自然ばかりに目を向けていないで、自分の内にある自然(「重力」)を感じることが、今の私たちに求められているのです。

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正中線と丹田を創り上げるには…

そこで正中線ですが、二本足で立つ人間を人間たらしめている身体の中を上下に貫く意識感覚というものということができます。

それは両足を閉じて直立したときの両内くるぶしからまっすぐ下のところから立ち上がり会陰(肛門と性器の間)から背骨の少し前を通って頭のテッペンにある百会(真ん中より少し後ろよりで耳の後ろから真直ぐに上がった頭頂部分)までの身体の中を上下一直線のラインです。

私の場合は、まず会陰を意識してそこから真下に地球の中心に伸びていく重みのある気を感覚して、次に頭頂の百会を天からひっぱりあげられている感覚の二つを結び付けて身体の中を貫くようにしています。

そして下腹部のところでこの正中線に接するところに丹田を重力線上に創り上げています。

この正中線によって二本足で立つことが完全に適応できると、身体はリラックスするため新陳代謝が活発になり、細胞レベルから神経系や循環器をはじめとする内臓の働き、運動を司る筋肉や骨格の働き、そのうえ脳の機能までも改善され、人として進化向上の自然体に向かっていくことになります。

ナイファンチ(ナイハンチ)の立ち方

大塚博紀師は
「足で立つのでなく体で立つ気持ちでなければならない。例えば腰を掛けている椅子が楽に引き抜けるように又抜かれてもそのままの状態に体が残っているように腰で体を椅子に支えるのでもなければ足で体を支えているのでもない。体で体を支えている気持である。この気持は練磨を積んで味得する外はない。」

以上のようにナイファンチ(ナイハンチ)の立ち方について解説をしています。

「正中線と丹田」のことをあなたが多少なりとも理解できたとすれば、この言葉の意味が理解できるのではないでしょうか。

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