心のもち方は個人差が大きく、また同じ人でも場合により差があるものです。
例えば、あなたが憶病で弱気な人間であったり、興奮し易く怒りっぽい性質であれば、必ず外からうける刺激を消極的な方向に過剰にうけとり、心を乱され、われを亡失するに違いありません。
反対に明朗闊達な人であれば、それらの刺激をそのまま受けとって、心の安定と平静を失わず、正しい判断のもとに適切な行動をとることができます。

■人生とは心のもち方である
今回は、人生とは心のもち方である。心のもち方一つがあなたの健康や運命を決定してしまうということについて、記載します。
あなたの心とからだは一連の密接なつながりをもっているので、お互いに関連し合っています。
そして特に重要な点は、からだから心への作用は相対的なのですが、心からからだへの影響は決定的であるということになります。
すなわちからだから心への影響は、その人その時の心の持ち方やうけ方で非常に差があるが、
心の持ち方はそのまま掛け値も割引きもなしに、いつでも、だれでも、即時からだにその持ち方どおりの影響を与えることになります。
だからからだから心への影響は、心の持ち方、うけ方でその悪影響を防ぐことが可能なのです。
しかし心からからだへの悪影響は心そのものの持ち方を変えない限り、その悪影響を防ぎようがありません。
ここに心というものを、いつも明るく、朗らかに、生き生きとして、勇ましく、すなわち真に積極的にもっていることが不可欠であるわけです。
■人間の運命と心のもち方
人間の運命について考えると、心のもち方がからだに対する影響よりも、もっと重大なはたらきを、心は運命に対してもっております。
古くから、そして現代でも、大きな困難に出あい、不幸のどん底に落ちた人が、心の強さでその困難を乗り越え、幸運に転じた実例は数限りがありません。
それは心の積極化が、その人の心の奥に潜在する偉大な生命力を引き出し、発揮させたからに外なりません。
根性といい、不屈不携の精神といい、不動の信念といい、人生を成功に導き、あるいは幸福の彼岸に達せしめる真の能力といわれるものは、いずれも皆心の領域に潜んでいます。
そしてこれらの真の能力に共通するものは何かといえば、飽くまで前向きで、明朗な積極的精神なのです。
■心は人間の全生命を活かす原動力的存在
ひと口にいえば、生命を活かしているものは心といっていい。
そして心は人間の全生命を活かす原動力的存在のようなものです。
心の持ち方が積極的でないと、生命全体が活発に働かないからです。
■心の態度の積極化
どんなに幸福を望み、どんなに名案工夫が浮かんでも、心の態度が積極化されないと、その実現は不可能です。
なぜならばその願望やアイデアを行動に移す実行力が伴わないからです。
また一時は実行することができても、長続きしない。
それは実行力を持続するためには、強固な意志の力が必要であり、その意志の力の発動には、心の態度が積極的でなければならないからということになります。
■はじめの一歩
ひと口にいえば、命を活かしているものは心といっていい。
そして心というものを、いつも明るく、朗らかに、生き生きとして、勇ましく、すなわち絶対に積極的にもっていることが必要不可欠であります。