武道

空手の基本技!その場突きで極意に直結!

空手の基本技は、大さく分けて突き、蹴リ、打ち、当て、受けの五つに分類できます。

「その場突き」は空手の道を学ぼうと入門した初心者から、熟練者に至るまで、どの流派でも必ず毎日の稽古で、この技から練習を始めるものです。

武道の技は、理論そのものであり、その動きは、柔らかくて速く、浮いていて美しいのが理想であり、正しい動きとなります。

そこを目指すと何年経ってもこれで完璧ということはなく、何時も『初心に帰れ』と教えられているような気になります。

拳の握り方


拳の握り方は、人差し指から小指までの四指を、掌(てのひら)に指関節を十分に曲げて折り込み、親指(拇指)を人差し指の斜め側方から包み込むように押さえます。

押さえるのは人差し指の一本か、中指に及ぶ二本に掛る場合、その中間的位置(単なる位置でなく力の掛り方)のどちらでもよいが、三つある指節骨の第1関節と第二関節の中間点になります。

そして、拳を握る場合、親指以外の四指は手の平に強く食い込むような力は入れないで折り込むようにしましょう。

すなわち、拳は緩まずしっかり握るが、必要なとき以外は力を入れないということです。

その理由は、握った拳に力が入り過ぎると、力みとなり自在性が失われて、拳にじゅうぶんなスピードが乗らなくなってしまう恐れがあります。

そしてそのような握り方をしていると、掌に跡が残り、「握り胼胝」ができてしまうという、好ましからざる現象となってしまうので注意してください。

その場突きの立ち方はナイファンチ(ナイハンチ)立ち

空手の型の基本はナイファンチ(ナイハンチ)で、最初に修得するべき大事なものということは

空手の型の基本であり真髄でもあるナイファンチ(ナイハンチ)の型の解明

記していますのでそちらをご覧ください。

武道においては基本の理論が極意の理論ということも書いてありますが、基本技の突きを武器化して実戦に通用する技や術としての空手独特の威力とスピードを会得するためにナイファンチの型の鍛錬を稽古しているわけです。

従って、空手の基本技の習得も型と同じナイファンチ(ナイハンチ)立ちで行うのが合理的であり、この後に続く術技的に最強の武道的身体を創り上げることが容易となります。

ナイファンチ(ナイハンチ)立ち方の考察

ナイファンチ(ナイハンチ)の型に由来するナイファンチ(ナイハンチ)立ちがあるのは和道流と糸東流です。

この立ち方は、首里手系統に伝わったものですが、船越義珍師を開祖とする松濤館流は「ナイハンチ立ち」からもっと歩幅を広げ、「騎馬立ち」として、併せて、「ナイハンチの型」を「鉄騎」と改称しています。

これが今に引き継がれ松濤館流技法の基本として「その場突き」も「騎馬立ち」で行い、「前屈立ち」「後屈立ち」も全てに「騎馬立ち」を基にした使い方を関連させています。

和道流の場合は「ナイハンチ立ち」の歩幅を決めるに当たり足首を直角に立てたまま膝を真横に倒し、反対側の踵との間に拳が一つ半から二つ位を基準としていますが、これはあくまでも目安であって、絶対的な歩幅ではありません。

ナイファンチ(ナイハンチ)の立ち方は爪先が内側に向くように入れるが、その目安は親指と反対の小指側が前後に両足が平行になるようにします。

膝は外に張りすぎると窮屈になるとともに、膝の内側側副靭帯と足首の腓骨筋支帯や第三腓骨筋腱に負担が掛り過ぎるので注意が必要です。

大塚師は生前、『提灯を潰さず、落とさずの気持ちで立てばよい』と教えられたようです。

さらに「足に力を入れずに、足で立つのでなく体で立つ気持ちでなければならない。例えば腰を掛けている椅子が楽に引き抜けるように又抜かれてもそのままの状態に体が残っているように腰で体を椅子に支えるのでもなければ足で体を支えているのでもない。体で体を支えている気持である。この気持は練磨を積んで味得する外はない。」

このように、大塚師は、身体感覚に重きを置いて練習することを重視されており、身体感覚に関する解説が多く記述されている。

ナイハンチ立ちによるその場突きの実際


ナイハンチ立ちの左構えから、右正拳で相手水月(中段)を突き、左拳を引いて体側に構える。そこから左、右交互に練習する。

突き手の右拳は、構えた体側の位置から目標に向って一直線上を進み、親指側を内捻しながら腰の捻りをさかせて突く。

回転によって推力がつくので衝撃力が増大するので、タイミングよく突きと回転がきまるようにする。

手だけで突いたり肩を出したりせずに、体全体の力で突きを極める。

体のキレ、腰の捻り、突きが一体となって動作し、突きが極った瞬間に全身の力が集中するように練習する。

引き手の左拳は、親指側を外捻させながら右拳(突き手)とバランスをとリ体側に引いて構える。

同じ腰の捻りで突き技と引き技を同時に極める。

左拳も最短距離の直線上を通過し、左肘は体側に締める。

突きを極めた後は、姿勢はそのまま崩すことなく、力を緩めて楽にする。

これは、前後左右の仮想敵に対しいつでも対応でさるように、ま左次の技が自由に出せるようにするためである。

はじめは、突くコース、突く目標、位置、腰の捻り、体のキレ、引き手とのバランスなどを確めながらゆっくり突く。

反覆練習して慣れるに従ってだんだんスピードを速くする。

以上が一般的に指導しているその場突きの解説です。

しかし、これでは形は出来ても武道としての技としては、おそらく通用しません。

ここからが、大切な解説となります。

空手の基本技!その場突きで極意に直結!

まず、前出の「ナイハンチ立ちの左構えから、右正拳で相手水月(中段)を突き、左拳を引いて体側に構える。」まではいいでしょう。

ここからが形に現れていない身体意識のことになります。

まず、正中線を意識してください。

ここで、たぶんあなたが感じている「腕」と認識している部分は、肩から手までだと思いますが、いかがでしょうか?

実は肩は鎖骨と肩甲骨で胴体に繋がっているだけで、後は僧帽筋をはじめとする筋肉によって支えられているだけで肋骨の上に乗っている状態なのです。

このことがしっかりと認識できてくると、腕が背骨からはじまっているような身体意識となります。

そこで正中線上の胸骨の一番上の鎖骨との接点部をナイファンチ(ナイハンチ)の型で練習した入り身で前に進めます。

すると、突き手が自然に正中線と直行する正中面上にスーッと肘から拳先がでてきます。

実はこの時の引手が非常に重要でして、入り身になると同時に手を引くのではなく肩甲骨を引いて突き手の加速を補助する働きをします。

この段階で膝の力を抜いて浮身になると、丹田が前に振り出されて突き手に勢いをつけて繰り出させます。

従って、どこにも力が入らないため技の起こりが察知されることなく、消えてしまい、気が付いたら突きが入っていたという状況になるわけです。

この体捌きは、居合術の「抜き」そのものなのです。

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