空手の組手の練習方法

空手は2020年の東京五輪で正式種目に選ばれたことで、テレビやCMに空手が採用され、今、多くの人に注目を浴びています。

 

そして、空手を始める人も増えてきています。

 

空手の試合は「形」「組手」というふたつの種目に分けられています。

 

しかし、試合での組手はあくまでもポイント制のスポーツ競技です。

 

これから空手を始めようとする人に限らず、実力が伸び悩んでいる方は、試合でいかに勝者となるかに、最も興味があり、魅力を感じておられることででしょう。

 

そのような試合で結果を出すための組手練習方法の根本的な取り組み方をご紹介します。

 

空手の組手練習方法への取り組み方

空手の組手練習は基本と型で習得した基本技を開拓して自分のものとして、武道空手の自分の技として、その成果を発揮できるようになるために行うものです。

 

現在はいろいろな形で試合化が行われており、その試合にいかにして勝利して優勝者となることが目的となってしまっているのが現状ではないでしょうか。

 

勝利への本能はあなたをふくめ人間だれしも持ち合わせているし、空手道を続けている限り「勝利」をひとつの目標として努力しつづけることは人間にとってやもうえないことです。

 

しかし、試合は修業の中のほんの一部分であり、空手道の究極目的へ到る一つの過程にすぎません。

 

日本空手協会の首席師範であった故中山正敏先生は、次のような言葉を残しています。

 

『空手道とは形・基本・組手、三位一体の錬磨を通じ有形無形の試練を乗り越え自己の心身を鍛えあげることを究極の目標とする生涯武道である。

決して試合そのものを目的とするものではない。

 

組手を離れた形は形骸化され、また、形を離れた組手からは空手道特有のキビキビした立派な動きは望めない。

 

まして空手道の技の本質である極めは生まれてこない。惑わずためらわず空手道の真髄に技心一如の道を求めるべきである』

 

従って、試合で「勝ち」たいがためにポイントがとれる技だけを追い求めてしまうと、空手道本来の武道体系が失われてしまいます。

 

常に形・基本・組手、三位一体の原点に戻って、あなた自身の特性である体型、柔軟性、性格、体格等を活かしきる独自性を開拓する練習に取り組むことが勝利者への唯一の道となるのです。

 

 

強くなるための練習方法

 

相手と向い合いあった場合、大事なことは間合いと気合です。

 

即ち、相手の攻防に合せて動くことが必要です。

 

しかし、相手の動きが目に見えてからでは遅いのです。

 

1.号令に合わせた練習

 

相手の攻防に合せて動くための稽古の一つとして、基本や型を、号令によって行う場合、その号令に合せるのです。

 

号令が終った時、動作も終るように、号令がかかった時には、もう動いていなければならないのです。

 

さらに、もっと早く、号令がかかった時、もう突いているようにすることです。

 

そのためには、焦らずに心気を鎮め、心を指導者の号令に集中するのです。

 

即ち、心身の緊張をといて、いつでも動ける体勢を保ち、号令をかける相手に合せるのです。

 

修練を積んで号令と共に動けるようになった時、作為的な焦りなどがなくなり身も心もいちばん素直で落着いた、集中状態ができあがっているものです。

 

 

2.相手と向かい合っての攻防の練習

 

次に、相手と向い合い、遠く離れて立ち、突いても受けても、実際に相手の体に触れない距離を保ち、攻防の練習をします。

 

受ける方と、突く方を、交互に行なって、相手が突くと同時に受けられるようになるまでやることです。

 

それが出来るようになったら、間合いをしっかりとって、突いたら当るようにして、突き受けの稽古をするのです。

 

これは、あくまでも稽古で勝負ではないということを絶対に忘れてはいけません。

 

勝ち負けにこだわってしまうと、進歩はありません。

 

あくまでも、相手の手足が、当ったり、かすったりした時、なぜ、どうして当ったか、なぜ受けきれなかったかを冷静に考えて、次に失敗しないように練習すればよいのです。

 

それが稽古なのです。

 

3.背後からの攻撃に対処

 

次には、相手に背後から突いてもらいます。

 

これは、相手が前に立った時よりも、さらに心気を澄ますことが要求されます。

 

精神統一の訓練になるわけです。

 

いつ突いてくるかと、頭を使ったり、心気が焦ったりすると、相手の動きなど、全くわかりません。

 

心身共に落着いて、シーンとした状態になると、自然に、相手の呼吸、動きがわかるようになるものです。

 

人間に限らず、すべての動物が持っている能力ですので、呼吸と動きの関係、気持の変化などが、誰にも、だんだんとわかるようになります。

 

実際にやってみれば、気配を感じることが、自然にわかってきます。

 

それを、頭で考えて知識に惑わさ、疑ったり迷ったりすると、自然の動きを止めてしまうのです。

 

この結果から見て、自然に逆らわないで体が感じて動きたい時に、日ごろの訓練による動きを、ためらわずに動くということが、いかに大切であるかがわかるはずです。

 

4.多人数を相手の稽古

 

以上のことが稽古を積んで出来るようになったら、多人数を相手に、稽古を始めます。

 

あなたを中心として、前後左右に3~5人に立ってもらい、約束なしで突いてもらうことです。

 

難しいですが、考えているより、やってみることです。

 

八方にいる多勢を相手に対するには、心を静め、気は八方に開いた状態にしなければ多勢を相手に、稽古など出来るものではありません。

 

物静かで柔らかい心、そして柔軟な体と敏速な動きが要求されるのです。

 

そのためにこそ、基本、型の訓練があり、基本的な訓練が出来ていて初めて、このような稽古も可能になるわけです。

 

闘争の技術として、徹底的に究明し、やがて闘争を越えて、自他一体の境地を体得する。それが組手の稽古の目的です。

 

考えているより、実行することです。やっていれば、自然にそれらのことはわかります。

 

最後に

 

いかがだったでしょうか?空手の組手の練習方法を極める|結果が出る取り組み方とはをご紹介しました。

 

試合で勝つための打ち込みばかりやっていても決して空手は強くなりません。

 

形・基本・組手、三位一体の錬磨を行って、空手の攻防一如の技と間合いと気合を体に染み込ませることこそが、空手を強くなるための方法であることがお分かりいただけたと思います。

 

実力が伸び悩んでいる方は「急がば回れ!」で原点に立ち返ってみてください。