呼吸法は腹式呼吸
 

 
呼吸法は身体の機能の向上や心の働きを活発化させ心身全体の調和をもたらすために呼吸を能動的に行うものです。

 

その呼吸法の基本となっているのが腹式呼吸で、吐く息でお腹を引っ込め、吸うときにお腹を膨らませる呼吸法です。

 

呼吸法から得られる効果は、心が落ち着き、自己を意識する度合いが深まることです。

 

呼吸法の訓練方法の基本

 

まず、正しい呼吸をするには正しい姿勢を心がけましょう。

 

正しい姿勢は何も呼吸の訓練のためだけに限ったことではありませんが、これが出来ていないとうまくいきませんので注意が必要です。

 

正しい姿勢とは上虚下実、頭寒足熱の状態を意識的に工夫することです。

 

そのためには、みぞおちから上の上半身、つまり頭、首、肩や手はリラックスするようにして、下腹から足にかけてはいつも力がこもっているようにします。

 

正しい姿勢を意識的に保つコツは、まず頭頂を上からひっぱりあげられているようなイメージで、軽くあごを引き肩と首の力を抜きます。

 

肩と首の力を抜くには、肩は左右を水平にして、胸はのびやかにして、脇の下に卵をさんだつもりで脇の下を空けます。

 

そして、頭頂から一本の線が重力に従って、丹田を中心点として緊張と弛緩のバランスをとるように意識します。

 

下半身に力を込めるコツは、肛門を締め足の親指と膝の内側に力を込め、骨盤を下げて腰の命門を後ろに突き出し、腹と腰の力を拮抗させることがコツです。

 

正しい姿勢がとれてくると深い呼吸が楽にできる様になってくるはずです。

 

腹式呼吸法のポイントは吐く息

 

腹式呼吸は簡単なようですが、本格的に取り組んでみると、意外と腹式呼吸ができないか、できても長く続けられない人が多いものです。

 

そこでまず、普段は意識せずに行われているのが呼吸です。

 

この「呼吸に意識を向ける」と呼吸は自然とゆっくりになるので「ゆっくりと息を吐く」ことに意識を向けましょう。

 

このことが普段の生活の中で出来るようにすることが呼吸法の大事な基本を身につけることに繋がるのです。

 

これまでできたら、正しい姿勢をしてから、下腹を引っ込めながらできるだけゆっくりと力を込めて息を吐きます。

 

息は下腹の皮が背骨にくっつくぐらいまで吐き切る気持ちで行います。

 

息を吐き切ったら意識を下腹に集中して腹の力を抜いて、反動で下腹をふくらませながら素早く息を吸います。

 

目は閉じているほうが意識を集中しやすいので基本的には目は閉じます。

 

腹式呼吸の練習時間は、はじめは短くてもよいですが、次第に時間を増やして30分ぐらいは続けられるようにしたいものです。

 

そして、吐く息はできるだけゆっくりと、はじめのうちは20秒間吐くのも大変ですが、練習を積み重ねて馴れてくると、約一分間位になるようにします。

 

吸う息は自然にまかせて時間は気にしなくともいいです。

 

「腹式呼吸がうまくできない」という人がときどきいます。

 

そういう人の多くは、体のひずみが大きいか、上半身に力が入っていて、重心が丹田になく上にあがってしまっているのです。

 

長いあいだ間違つた呼吸をしていたのですから、一日やそこらでうまく腹式呼吸ができるわけがありません。

 

ひずみを治して気長にやってみましょう。

 

完全呼吸法と調息集中法

 

完全呼吸法とは、人間本来の自然呼吸のことで、赤ちゃんの呼吸法でもあります。

 

この呼吸法は肺臓の各部分と、呼吸作用に関連した全筋肉とを活動させる呼吸法で、ヨガではこの行法を毎日続けることによって、霊性の向上に結びつき、肉体的な疾患はほとんど解決が出来るだろうとしています。

 

完全呼吸法の練習法

 

1.まず、前述のように正しい姿勢をとります。`

 

2.ゆっくりと息を吐いていき自然に腹が引っ込み、そのままさらに息を吐き出すというよりも、吐息ごとに腹を引っ込め、息を絞り出し、押し出す気持ちでやります。吐息のときには足と腹、肛門に力を入れます。

 

3.息を吐き終わったなら、瞬間的に足と腹、肛門の力をゆるめてからゆっくりと息を吸っていき、少し腹が膨らむくらいまで吸い込みます。

 

4.そのままさらにちょっと肋骨を開いて、肺の中ほどから上部に胸を突き出す気持ちで息を吸い込みます。

 

5.続けて肩を上げ鎖骨部に息を吸い込みます。このときには下腹部が少し引っ込むから肺の最上部にまで息が行き渡るのです。

 

6.吸い込み終わったら2~3秒くらいちょっと止めてから、腹をもとに戻しながら息を吐きます。

 

7.続けて胸を戻しながら吐き続け、最後に肩を下げながら吐きます。ここから2に戻り繰り返します。

 

呼吸法の練習は空腹のとき、少なくとも食後2時間以上たってからがいいです。

 

その意味では、朝起きて朝食前とか、就寝前がいいでしょう。

 

また、忙しくて時間の取れない人は乗物や人を待っているときや、会議中や仕事や勉強にくたびれたときとか、壁につき当ったときなどもいいと思います。

 

調息集中法とは

 

調息集中法とは息を調え、意識を集中する方法で、呼吸法をしながら、意識を集中して何も考えないことです。

 

この呼吸法の特徴は、呼吸では副交感神経が優先となり、意識の集中そのものは交感神経を刺激することなのです。

 

つまり交感神経と副交感神経の両方が刺激されて、バランスがとれ、自律神経の働きが活発になるということです。

 

自律神経の働きが盛んになれば、自然治癒力が活発になり、治病に対して絶大な効果をもたらします。

 

バランス維持の法則として、プラスの力はマイナスの力をよびおこし、その逆もまた自然に生じます。

 

とにかく抑制力を高めても、それは覚醒力を高める働きになるのです。

 

したがって腹式呼吸も完全呼吸もうまくできるようになったら、毎日行なうのは調息集中法だけでよいことになります。

 

調息集中法の効果

 

調息集中法は副交感神経優先型の呼吸法だから緊張感という交感神経緊張をときほぐしてくれます。

 

そのため、各種スポーツで、調息集中法が大きな成果をもたらすことは間違いないはずです。

 

また、普段は健康だと思っていたのに、調息集中法をやっていたら胃が痛くなったり、肝臓に圧迫感が出てきたり、下腹が重苦しくなってきたりすることがあります。

 

西洋医学ではまったくないことですが、東洋医学では好転反応といって、自然治癒力を活用して本当に治る場合に起こる現象なのです。

 

それは治る前に一度かえって症状がひどくなるのです。

 

症状というものを普通は悪いものと考えられていますが、症状は治るための自己防衛反応なのです。

 

たとえば咳が出るのは、胸の血行をよくするためのものですし、鼻汁が出るのは、粘膜を保護するためです。

 

痛みはそこに意識を集中することによってその部位の血行をよくするための反応ということになります。

 

したがって症状はけっして悪いものではないのです。

 

調息集中法をやっていて、症状が出たら、そういうときには、それぞれ、「ああ、胃が悪かったんだな」「肝臓がくたびれていたな」「腸に癒着があるかも知れない」などと思うのが正しいこととなります。

 

そして調息集中法を続けているうちに、自律神経により自然治癒力が活性化して、これらの症状が消えてしまうということになるのです。

 

まとめ

 

呼吸法は腹式呼吸が基本です。

 

その腹式呼吸法のポイントは吐く息です。

 

腹式呼吸で腹圧をあげることによって自律神経が整って心身を健全にします。

 

そこから完全呼吸へすすみ、調息集中法をマスターします。

 

ところが、ただ健康によいというだけでは長続きはしません。

 

飲食であればおいしくなければいけないし、運動であれば、している最中でも後でも、気持ちがよく、あるいは楽しくなければ長続きしないものです。

 

その点、調息集中法は、実行してみればわかりますが、頭がスカーツと冴えて、気力が充実し、真夏に汗だくになったときに、冷水を浴びたようなさわやかな気持ち良さがあります。

 

是非この気持ちよさを味わってください。