当たり前の事ですが、通常であれば呼吸は意識してしているのではありませんよね。
現実的にはどんな時でも無意識のうちに行なっている呼吸のおかげで人は生きているわけです。
そして、呼吸は生命にとって必要不可欠なものであり、ごく短時間であっても呼吸をしなければ命取りになります。
ふつう、人間は食物をとらなくても2~3週間、また水分をとらなくても4~5日程度は生存し続けられます。
しかし、これが呼吸となると話は全然変わってしまいます。
呼吸法で人生が変わる!
たとえば頸動脈を押さえて脳へ酸素が行かないようにすると、10秒間ほどで意識がおぼろげになり、その直後に極度のパニック状態に陥ります。
もし、そのまま4~5分ほど酸素の供給が断たれれば、脳はもう二度ともとどおりには反応しなくなってしまいます。
生まれた時から、生涯を終えるまでひと時も休まず続く呼吸は、呼吸器系、循環器系、神経系、消化器系、筋肉組織や精神はもちろん、さらに睡眠、記憶、活力の質や気力といった人生のすべてを左右しているのです。
もしあなたが、知らず知らずのうちに息を浅く抑えていたり、呼吸をセーブして息を充分にしていなかったりしているとかならず、それまで不都合なくしていた呼吸が、制約を受けた正常でないものになってしまいます。
現代に生きる私たちには精神的、物理的、生物学的なストレスが多くなっており、呼吸と健康の状態を左右され続けています。
それにもかかわらず、「ストレスも限界」だの「燃えつきちゃった」だのと愚痴ったりしながらでも、過労の状態が原因の不安と緊張に一様になれてしまって、ゆっくり休みたいと思う心をすみっこに抑しやっているのじゃないでしょうか。
バイタリティー旺盛だった昔を偲んでは、いつのまにこうなってしまったのか、どうやったらとりもどせるのかと途方にくれているのじゃないでしょうか。
こうしたときはつい解決をあせって、しょうもないことやロジックやこむずかしい解決手段に囚われがちです。
それは、現代人がとかく、いちばん単純なこと、最も基本的なことを追究せずにいるからなのです。
呼吸はだれでも手に入れられるストレス対処法
呼吸というプロセスは反射的行動をふくめ私たちのあらゆる行動の中心にあるので、呼吸にもどればストレス処理法の本質に触れることが実現可能です。
呼吸を再発見して呼吸の質を改善すれば、生活の広い範囲に亘る状況でその成果が感じ取れるに違いありません。
正しい呼吸は満足のゆく健康体への最適の条件を整え、お粗末な呼吸は心臓病や高血圧といった病気の温床を構築する、ということになります。
でも、もうわたしたちも大丈夫、知っています。最新の科学的、医学的研究が裏付けているように、正しい呼吸こそ健康の要なのです。
人は生まれたとき、全身で呼吸します。一個一個の細胞が呼吸の生命力に動き、骨の一本一本が、筋肉が、器官が、呼吸するたびに動きました。
一息ごとにあらゆる神経がエネルギーを受けとり、それを血球が総動員で運び、毎瞬毎瞬を刻むのは自分の一息一息でした。
ところがたいていの人はもう、新生児が全力全身で呼吸する感覚を覚えていません。
忘れてはしまいましたが、なくしてしまったわけではありません。
人は一日のうちに、およそ2万回もの呼吸を行なっています。一生を通じて行なう呼吸の数は、一億回以上にもなるでしょう。
その厖大な回数から、私たちはつい呼吸をあたりまえのこと、身体が知らぬまに勝手にやってくれていること、とみなしがちです。
しかし、それだけの回数行なわれている呼吸に、ほんの少しでも改善がなされたとしたらどうでしょう?
もしあなたが呼吸の仕方をほんの少しでも改善するなら、肉体と精神と感情のレベルにあらわれる大きな変化に気づくはずです。
効果的な呼吸法を身につけるなら、人生全般のクオリティが格段にアップすることになります。