呼吸法がとりわけ劇的な効果を発揮するのは、感情に対してです。
不安と落ちこみという現代人に多くある二つの感情に対しては、専門医に見てもらう必要があるような深刻な症状だけでなく、だれもが日頃感じている軽度の不安や落ちこみに対しても呼吸法はいずれも効き目があるものなのです。
■呼吸法は不安を解消し感情をコントロールする
ストレスを引き起こす基本的な感情とは、「恐れ」と「怒り」と「悲しみ」ですが、これらにうまく対処できないと、人は大きな弊害に巻きこまれてしまいます。
そこで不安を解消する呼吸法が効力を発揮し感情をコントロールして弊害を解消するということを書いていきます。
■呼吸法はストレスを軽減
呼吸はまた、ストレスを軽減して身体の中から嫌な感情を消すのを助けてくれます。
あなたがある感情のメッセージを受けとったとします。
たとえば「こわい」と感じて、恐怖心を消し去りたいと思ったときは、呼吸法を実践することがいちばん簡単で効果的な方法です。
さまざまな感情によって生じるストレスによる肉体の感覚に対しても、何度か大きく呼吸をしてみましょう。
何が起こるか観察してみてください。
多くの場合、それだけで身体の中からストレスによる感情が消えてなくなってしまいます。
■感情をコントロールするには…
注意深く自分を観察すると、ひとつの感情がわきあがったとたんに呼吸が変化するのを、感じとることができるはずです。
感情とうまくつきあうための第一のステッブとは、自分の中の感情に気づくことです。
呼吸法をしばらく実践しているうちに、あなたは呼吸の変化にそれまで以上に敏感になり、自分の中の感情に気づくようになるでしょう。
また、呼吸は感情とつながる方法を教えてくれるだけでなく、まわりの人とのコミュニケーションにも非常に役立ちます。
■感情と呼吸の相関関係
感情と呼吸の相関関係においては、学ぶべきことはまだまだたくさんあります。
私の場合、怒りをリアル社会において身をもって感じて自分自身の感情をコントロールできたことが突破口となった日の事を私は今なおはっきり覚えています。
そのとき、この呼吸法によって身体の中の固いしこりのようなものが溶けていくのを感じるとともに、自分本来の意識をとりもどすための助けとなってくれました。
また、感じたことを他の人に言明するかわりに呼吸を押し殺していたことにも感づかせてくれたのです。
この小さな糸口を見つけてから、私は似たような事態に見舞われたときに自分を冷静に受け止めることができるようになったのです。
■鬱状態が呼吸によって和らげられた例
典型的な例として、ある中年の女性の体験談があります。
その女性は、数力月にわたり鬱状態に悩まされ続けていました。
その時の彼女の呼吸は固まっていて、呼吸をしていても、彼女のおなかと胸はまったく動いていないんです。
そのことを彼女に指摘すると、彼女は、そういえば、何力月も、まるで窮屈なガードルで締めつけられてでもいるような感じで、息苦しいことに気付いたのです。
そして実際、「あの時からだわ!」と、そんな状態になった日のことに思いだしたのです。
それは彼女が、重苦しい心理的ストレスをもてあましていた時期で、その後まもなく彼女の中に憂鬱がしっかりと根を下ろして、微動だにしないほどに固まってしまったのです。
何はともあれ簡単な横隔膜呼吸のやり方で、彼女の気分はその場でよくなったのです。
そして、帰宅後も呼吸法を続け、翌日の午後には、すっかりふだんの調子にもどっていたのです。
この例ように必ずしもすぐに効果があらわれるとは限りませんが、鬱状態が呼吸によって和らげられた例は今までに数えきれないほどあります。
■まとめ
結論としましては、呼吸法で不安を解消して、ストレスを軽減し感情をコントロールするための第一のステッブは、自分の中の感情に気づくことです。
そして注意深く自分自身を観察すると、感情によって変化している呼吸を、感じとることができるはずです。
そこで、落ち着いて呼吸法をしばらく実践していると、あなたは変化している、自分の中の感情に気づくようになるでしょう。
■呼吸法はストレスを解消する
さまざまな感情によって生じるストレスによる肉体の感覚に対しても、何度か大きく呼吸をしてみましょう。
何が起こるか観察してみてください。
多くの場合、それだけで身体の中からストレスによる感情が消えてなくなってしまいます。
■不安を解消するには
感情がもたらす不快感は、感情を最後まで解放することなく、きちんと向き合わないまま感情に執着することから生じてきます。
そこで、主に呼吸を通して感情とまっすぐに向き合うことによって、不必要な不安と落ちこみというネガティヴな感情を取り除くことが可能になるのです。