呼吸法の種類とその効果
 

 
呼吸は、呼吸器系、循環器系、神経系、消化器系、筋肉構造やメンタリティはもちろん、さらに睡眠、記憶、モチベーションのクオリティや精神力にも影響を及ぼします。
 
正しい呼吸は申し分無しの健康体への最適の条件を整備し、中途半端な呼吸はがん、脳卒中、心臓病、糖尿病に、精神疾患といった病気の温床を組み込んでしまうものです。
 
もしあなたが呼吸の方法をほんの少しでも改善するとしたら、肉体と精神と感情のレベルに生じてくる速やかな変化に気づくはずです。
 
あなたに適した種類の効果的な呼吸法を身につけるなら、人生全体の質がより高まり心も身体も健康にすごせるのです。
 
今回は、数多くの呼吸法の中から、10種類の心と身体を健康にする呼吸法とその効果を見ていただきます。

 

心と身体を健康にする呼吸法の種類10選

 

呼吸法の種類は多く、その中には驚異的な可能性を引き出すものもあります。

 

しかし、呼吸法はテクニックですので、いろいろと決まりやコツがあります。

 

何事も基本が大事ですのでまずは、基本となる腹式呼吸と完全呼吸を身につけてください。

 

そのやり方は『呼吸法は腹式呼吸が基本!健全な心身は自律神経を整える腹圧から!?』を参照してください。

 

ここでは10種類の心と身体を健康にする呼吸法を紹介しますが、すべてを覚えるのでなく、あなたの現状に合わせて必要と思われるものを習得して、あなたの人生の質を向上させるようにしましょう。

 

  • 感情をコントロールする呼吸法
  • 笑いがもたらす健康効果
  • 運動の基礎的呼吸法
  • 頭脳を明晰にする呼吸法
  • 疲れを取る浄化呼吸法
  • 感覚を鋭敏にする呼吸法
  • 丹田統一の呼吸法
  • 観念要素更改の呼吸法
  • 自律神経回復呼吸法
  • 副交感神経優先の呼吸法

 

10種類の呼吸法のやり方と効果

 

感情をコントロールする呼吸法

 

あなたの感情を意志の力だけを活用してコントロールするというのは、極めて困難です。

 

その点、呼吸法を使えば、あなたの感情を直ぐにコントロールできるようになれるのです。

 

胸の筋肉が硬直しているときには憂鬱な気分となって、背中の筋肉がこっているときには不愉快な感じがします。

 

腰の筋肉がこわばっているときには全くやる気がしないで、脚や首の筋肉がこわばっているときにはだるくなります。

 

それゆえ呼吸法を活用して局部的こりをとって、精神状態を改善するべきであります。

 

また心身の働きは、緊張と弛緩の交替のリズムであるから一方が強く偏りすぎると、自然に反対のほうに偏ってくるものです。

 

陰極まれば陽に転ずるの理ということになります。

 

そこで、元気を出したい、神経を静めたい、感覚を鋭敏にしたい、頭をはっきりさせたい、積極性をもちたいなどの際に活用出来る呼吸法を次にあげておきますので利用してみてください。

 

怒りっぽいとき

 

みぞおち、首の筋肉、背中の一方の筋肉が萎縮硬化しているはずです。

 

したがって、足腰に力を入れて、みぞおち、首、肩、筋肉の力を抜き、ねじりや曲げる体操をして、背中の左右の筋肉の固さの不均等を取り除いて、肩と首の力を抜いて深呼吸をすると、リラックスした心の状態に変わります。

 

不愉快な気分のとき

 

胸を張って下腹に力を込め、静かに深い呼吸を反復します。

 

落ち着かないとき

 

とくに腰に力が入るように胸を十分に張り、ゆっくりと長い呼吸を繰り返すといいでしょう。

 

驚いたとき

 

足の内側、つまり親指に力を入れ、アキレス腱を伸ばし、胸を張って静かに腹式呼吸をすると落ち着きを取り戻せます。

 

元気を出したいとき

 

胸を張ってあごを引き、背中を伸ばして力のこもった早い呼吸を繰り返し行います。

 

もしくは、しばらく吸った息を止めて気合いを掛けるように一気に吐き出します。

 

リラックスしたいとき

 

まず、足、腰、下腹に力をこめて強く息を吐き出します。

 

そしてから、首と肩の力を抜き、左右に胸を拡げて体をゆさぶりながらリズムのある呼吸を反復するようにします。

 

意識的に身体をゆるめるためには、意識的に強く体を引き締めて、そのあとで急激に力を抜けば効果的です。

 

自然に体がゆるんでくること請け合いです。

 

イライラしているとき

 

イライラする気持ちのときには胸に力の入った呼吸をしています。

 

浅く弱い呼吸や胸に力の入った呼吸をしていると、呼吸の化学的作用である酸素と炭酸ガスとのガス交換が中途半端になり、内臓運動も活発でなくなります。

 

その結果、血液循環を劣化させることになります。

 

さらにイライラの感情は交感神経優先型であるから、腹圧を低下させ、吐く息よりも吸う息に力が入ってくるのです。

 

したがって呼吸法を活用して局部的こりをとって、精神状態を改善すると良いでしょう。

 

体をしばらくゆさぶり、ワキの下を張ったまま、深呼吸をします。

さらに不安が続くのは、腎臓が弱いためであり、不快が続くのは、副腎ホルモンの異常のせいでありますから、体を後ろに強く反らして深呼吸を行なうといいでしょう。

 

 

笑いがもたらす健康効果

 

人間は交感神経が緊張状態になって頭にきやすいことから、腹圧を高める呼吸法が自ずと与えられているようです。

 

それが笑いであり、笑いは人間だけに与えられているのです。

 

あなたは気分のよいときに笑うでしょう。

 

笑いは完全呼吸の状態をつくります。

 

笑うときには吐く息に力が入っています。

 

吸う息では笑うことができないのです。

 

また笑うときには、下腹をへこませて息を吐いで腹圧を高めています。

 

だからあんまり笑うと腹が痛くなるわけです。

 

他方、悲しくて泣くときには、吸う息で泣いています。

 

吐く息では泣けないのです。

 

赤ちゃんだけは腹式で泣くが、これは悲しくて泣くのではないからです。

 

おとなが泣くときは胸式呼吸で肩で泣いております。

 

ということから笑うときは副交感神経優先型の呼吸となって、泣くときは交感神経優先型の呼吸になります。

 

楽しいから笑うのではなく笑うから楽しいんです。

 

当然ながら、その反対に悲しいから泣くのではなく泣くから悲しいことになります。

 

笑いは自律神経の働きを整える働きがあります。

 

寝たきりの病人は大いに笑わせてあげると良いです。

 

調息集中法の呼吸も声を立てないで笑うことがコツということを意味します。

 

体操のコツも笑っている状態で行なうことです。

 

額に縦じわを寄せてむつかしい顔をして調息集中法をしたり、体操をしないほうが良いのです。

 

どういう歩き方をしたらいいのかを発見するには、笑いながら歩いてみると良いでしょう。

 

そうするとちょうどよい歩幅になります。

 

あなたの歩幅で歩かないと健康になれません。

 

同様に、あなたの座り方で座らないと健康になれないのです。

 

あなたに適した歩き方、座り方をしたときに、はじめて安定が得られるというわけです。

 

呼吸、脈、気分は、あなたの生命の声であり、生命の姿と言えます。

 

あなたの体に何が必要で、何が不必要か、何が薬で、何が毒なのかを教えてくれるのが、呼吸、脈、気分ということです。

 

気分が悪くなるようなものは毒であり、害になるということです。

 

生命は決してウソをつきません。

 

また生活を楽しませるものが薬であり、その逆になるようなものは毒だということです。

 

楽な呼吸、自然な呼吸、安定している呼吸、心身を落ち着かせる呼吸になるようなものは薬になるものです。

 

 

運動の基礎的呼吸法

 

多くのスポーツでは、本気を出すタイミングで息を止めます。

 

例をあげると野球で投手が球を投げ込む瞬間、球にバットをヒットさせる瞬間、バレーボールでスパイクを打つ瞬間などにおいては息を止めています。

 

その理由は力が充実するからですが、これに関しても完全呼吸のように息を十分に吸ってから息を止めるとより効果が期待できるものです。

 

他方、野球で投手が球を投げる瞬間に「エイッ」といったり、剣道で相手に打ち込む瞬間に掛け声をかけます。

 

このことは声を出すことは、息を吐くことであるから、それによって副交感神経の働きが高まるというメカニズムにかなっています。

 

言ってみれば精神的に安定してくる結果に繋がることになります。

 

したがって野球でコントロールをよくすることを考えたら、球を投げるときも、打つときも息を吐いたほうがよいことになります。

 

スタミナの持続性という点でも息を吐いたほうが良いのです。

 

息を吐いたほうが筋肉がリラックスするからである。

 

同じことは体操についてもいえます。

 

息を吐くことによって筋肉は伸展しやすくなるのだから、柔軟体操やひずみ修正体操では、ゆっくり息を吐くことが上達と効果をアップさせるために一番重要であります。

 

長い距離を走るときには、「スー、スー、ハー、ハー」と息を二度吐いて、二度吸うように昔から教えられています。

 

しかし、かなりスピードを出すとこれでは息が苦しくなってくるものです。

 

そこで私は二度息を吐いて、一度吸う、つまり「ハー、ハー、スー」で走るようにしています。

 

この呼吸だと、吐く息のほうが時間的に長いから副交感神経優先型になって疲れにくいためです。

 

そのうえ、この呼吸だと、かなりスピードをあげても苦しくありません。

 

ゼンソクがマラソンで治るのはいい呼吸のため

 

ゼンソクの子どもが吹奏楽やマラソンをすることによって、ゼンソクがすっかり治ったという例はとても多いようです。

 

スポーツによって余剰エネルギーを消耗したり、血液循環をよくしたり、汗をかくことによって液体性老廃物を排出するなどの効果もあります

 

けれども、ほとんどのスポーツでかなりはげしい呼吸が要求され、自然に呼吸法をやる結果になることも、重要な効能とも考えられます。

 

吐く息を長くゆっくりと下腹を引っ込めながら行ない、その反動で息を胸一杯吸うことは、日常生活にも応用したいものです。

 

その例は歌を歌うとき、お経をとなえるとき、長唄、吹奏楽の演奏などがあります。

 

この腹式・完全呼吸でこれらのことを行なえば、そのまま健康法になるし、疲れにくくなります。

 

声楽家や祝詞をあげる神主、読経するお坊さんが比較的長生きであるのは、この呼吸法に有効な要因があるといえるのではないでしょうか。

 

疲れを取る浄化呼吸法

 

浄化呼吸法は、肺臓内の換気、血液の浄化、さらに神経およびホルモン腺へ活力を加え、身体の全組織を新鮮にする効果をもっています。

 

その方法は次のとおりです。

 

1.完全呼吸法を行ないます。

 

2.息を吸ってから数秒間、そのまま息を止めておきます。

 

3.口笛を吹くときのように唇をすぼめ、少しずつ口から息を吐き出すようにします。

 

半分ぐらい吐き出したときに息を止めてしばらくそのままにします。

 

それから今度は少し余計に息を強く吐き出すのです。

 

息が完全に出切ってしまうまで同じことを繰り返します。

 

疲労しているときにはあごを出して前屈の姿勢になり、肩を上げて吐く息に力の入った浅い呼吸をはげしく繰り返しがちです。

 

この場合には意識的に背を伸張して胸を張り、息を大きく深く吸い込み、強く吐き出すと疲労感を無くすことができます。

 

感覚を鋭敏にする呼吸法

 

高度の適応性を身につけるためには、異常に対して敏感に感じる働きをもっていなければならないのです。

 

心身がリラックスしていて、息が調っていて、しかも注意が集中されているときには感受性はもっとも敏感になります。

 

この呼吸法は、この目的にかなった感受性をもっとも鋭敏にするためのものです。

 

1.直立して両足をしっかりと地につけ、腰に力を入れて、完全に息を吸い込みます。

 

2.両腕を左右から上へ、力を込めて徐々に上げ、頭の真上で両方の手のひらを合わせます。

 

つづけて親指を組み、人差指がたがいに触れるようにして手のひらを外に向けてねじります。

 

このときに全身をしっかりと保ち、脚の形を崩さずに手を十分突き上げます。

 

3.呼吸を止めてこの形を数秒間保持します。

 

4.両腕を左右に開き、肩から四五度上の角度まで下げます。

 

ここで口笛状にした唇から息の四分の一を力強く吐き出します。

 

つぎに両腕を肩と水平の位置まで下げて息の四分の一を吐き、

 

さらに両腕を下方に四五度の角度になるまで下げて息の四分の一を吐きます。

 

さらに両腕を下げていき両脚についたときに残りの息を吐ききります。

 

中途で息を吐くときは胸をしっかりと張り、最後の息を吐くときには腹部で肺を押し上げる気持ちでしっかりと吐き出すのです。

 

 

丹田統一の呼吸法

 

心身の統一がとれているということは、働きが体の中心、つまり丹田に統一されているということであります。

 

この呼吸法の要領は次のとおりです。

 

立って背骨を真っ直ぐに保ち、足を腰幅に開き両足先を開かないように平行にします。

 

足の親指に力を入れて尻で体を支えるつもりで尻に力を入れ、両脚で上半身を支える感じです。

 

目は一点を凝視し続けて、上体は曲げずに行うことに注意しましょう。

 

1.手は握りこぶしにして、後ろの方に両手を伸ばします。

 

2.完全呼吸の吸気を行なって、息を胸の中に止めます。

 

3.腕を瞬間的に前に伸ばしながら両膝をくっつけて曲げますが、息を少しももらさずに、再び腕をもとの位置に返し、後方でゲンコヅを合わせます。

 

この腕の運動を、息を止めたまま三回行なってから、再び腕を体側に下げて指を伸ばします。

 

4.息を力強く吐きながら全身を弛緩へいざなうのです。

 

観念要素更改の呼吸法

 

観念は習慣化した意識です。

 

良い意識を自分の観念にするには、それを習慣化するまで繰り返すことが必要不可欠です。

 

強く意識して繰り返すほど、観念になるパワーは強くて早くなります。

 

この観念があなたの考え、活動する方向をつくるのであります。

 

観念が運命のつくり主であるからこそ、良い内容の観念を有することが求められるのです。

 

あなたの神経はいっさいのものを受け入れ、それを自分のものにできるわけですから、教育やしつけ、暗示と環境が重要なのであります。

 

この観念要素更改の呼吸法の要領は次のとおりです。

 

1.指を開いて手を前に出し、体の力を完全に抜き切って息を吐き出します。

 

2.息を吸い込みながら、五本の指で目的のものをつかんだつもりになってこぶしを握り、強くそれを固定しながらゲンコツを肢の下にもってきます。

 

3.眼を閉じて息を止めて、目的物あるいは目的とすることを映像化して、それをマブタの裏に映してじっと見つめます。

 

同時に自分の希望は必ず実現するという強い肯定暗示を添えるのです。

 

4.息を口から強く吐き出す。

 

5.腕を下ろして静かに全身を弛めて調息集中法に入り、目的の実現像を強く祈ります。

 

自律神経回復呼吸法

 

背骨の運動をすると、交感神経が緊張し、息を保留することによって腹部の運動をするので副交感神経の働きが促進されます。

 

背中の左右運動によって、左右の筋肉の緊張と弛緩の差がなくなります。

 

静かに律動的にゆさぶることによって、自律神経が回復して全身の筋肉がほどけてくるのです。

 

心身を安定させる自律神経回復呼吸法

 

1.背骨を真っ直ぐにし、両足を約三〇センチ開いて立つか、または正座したままで行ないます。

 

2.完全呼吸で息を鼻より吸い、息を保留します。

 

3.つぎに両手を腰に当て、息を保留したまま上体を左右にできるだけ曲げる運動を三回、静かに、かつ律動的に行ないます。

 

4.つぎに前後に曲げ、そのあと、上体を左右にねじる運動を行ないます。

 

5.手を腰にそえたまま、息を静かに自然に吐き出します。

 

このようにして両神経と左右前後の筋肉がそろうことによって心身の安定を得るわけなのです。

 

副交感神経優先の呼吸法

 

深い呼吸をすれば無心になれ、副交感神経優先となります。

 

呼吸法、とくに調息集中法を運動の前に行なうとスタミナがついて疲れにくいし、記録がアップするでしょう。

 

運動をしたあとも調息集中法をたとえ短時間でも行なうと疲労の回復は非常に早くなります。

 

姿勢が狂うと呼吸が不完全になります。

 

そして呼吸が不完全になると感じ方が変調を来してきます。

 

呼吸が深く、整っているほど感じ方が正常になるというわけであります。

 

たとえば、困ったというような消極的な心理状態になっているときには、前かがみの呼吸の型になっていて、上肺または中肺呼吸の非常に浅い呼吸になります。

 

こういったときには、胸を張り、深い呼吸をすれば血液が浄化され、神経は活気づいて積極的な気分になることができるのです。

 

イライラして落ち着かなかったり、恐怖感をおぼえたり、腹が立っているような心理状態の場合には交感神経が興奮し、重心が上がり、肩に力が入り、全身の筋肉が固くなり、荒く浅く早く、しかも胸に力の入った上肺呼吸をしているのです。

 

このときに下腹部に力を入れる腹式呼吸法を静かに深く行なうと、腹圧が高まって副交感神経が働き始め、鎮静ホルモンのアセチルコリンが多く出て筋肉は次第にほぐれ重心も下がってくるはずです。

 

まとめ

 

呼吸法の種類とその効果ということで心と身体を健康にする呼吸法10選!をご紹介しました。

 

  • 感情をコントロールする呼吸法
  • 笑いがもたらす健康効果
  • 運動の基礎的呼吸法
  • 頭脳を明晰にする呼吸法
  • 疲れを取る浄化呼吸法
  • 感覚を鋭敏にする呼吸法
  • 丹田統一の呼吸法
  • 観念要素更改の呼吸法
  • 自律神経回復呼吸法
  • 副交感神経優先の呼吸法

 

だいぶ長い記事になってしまいましたが、全部を覚える必要はありません。

 

何よりも大事なのは呼吸法の基本です。

 

基本となる腹式呼吸と完全呼吸に習熟することを心がけてください。

 

そして必要に応じて、今回の10選を実行するようにしてください。