空手の型ナイファンチ(ナイハンチ)の解説をはじめる前に、「正中線と丹田を鍛えることが、強くなるための必要条件」ということを前回、記しておきましたので、まずは「正中線と丹田」について説明をしましょう。

大塚博紀師は「身体の中心の感覚」を極意の一つとしてあげています。

「正中線と丹田」で達人への道が開ける!

「身体の中心の感覚」がまさに「正中線と丹田」ということになります。

そこで武道で極意を体現するということを、生物学での進化論から考察してみましょう。

人間が動物の一種でありながら、動物を超える存在と成り得たことの出発点の一つは、完全直立二足歩行です。

そして人間は大自然(宇宙)が進化、向上をしているしているのと同様に進化、向上をして完全なる人間になる事が生きることの目的であり理由なのです。

ところが、人間は二本足で立つようになって形体上の進化はほぼ終わりましたが、完全直立二足歩行はその機能については完成されたものでなく進化の途上なのです。

この完全直立二足歩行を機能面で最高に進化、向上させるために必要なのが「正中線と丹田」です。

「正中線と丹田」が機能すると人間の心身の機能のすべてが変化してしまい、武道を極め達人への道が開けてくるのです。

「重力」という働き

二本足で立つことに完全に適応できていないということは、自然に立つことができないということを意味しています。

なぜなら、人間の形態を進化させてきたのは、まさに、自然の法則なのですから、その自然の法則との適否が、人間が二本足で立つための決定的な要素になるはずだからです。

それでは、人間の形態に最も影響を与えている自然(宇宙)の法則とは何でしょうか?

それは「重力」です。

しかし、あまりに当たり前のものは知覚できないという人間の知覚の特性から、ほとんどの人が「重力」という働きのもつ意味、重要性について気づいていないのが現状でしょう。  

「重力」がなければ、地球上にいるすべてのものは、地球上に存在することはできません。

心身ともに、どっしりとした安定感を得るには、まず、自分の「重さ」を感じることから始めなければなりません。

自分の外側の自然ばかりに目を向けていないで、自分の内にある自然(「重力」)を感じることが、今の私たちに求められているのです。

正中線と丹田を創り上げるには…

そこで正中線ですが、二本足で立つ人間を人間たらしめている身体の中を上下に貫く意識感覚というものということができます。

それは両足を閉じて直立したときの両内くるぶしからまっすぐ下のところから立ち上がり会陰(肛門と性器の間)から背骨の少し前を通って頭のテッペンにある百会(真ん中より少し後ろよりで耳の後ろから真直ぐに上がった頭頂部分)までの身体の中を上下一直線のラインです。

私の場合は、まず会陰を意識してそこから真下に地球の中心に伸びていく重みのある気を感覚して、次に頭頂の百会を天からひっぱりあげられている感覚の二つを結び付けて身体の中を貫くようにしています。

そして下腹部のところでこの正中線に接するところに丹田を重力線上に創り上げています。

この正中線によって二本足で立つことが完全に適応できると、身体はリラックスするため新陳代謝が活発になり、細胞レベルから神経系や循環器をはじめとする内臓の働き、運動を司る筋肉や骨格の働き、そのうえ脳の機能までも改善され、人として進化向上の自然体に向かっていくことになります。

丹田の位置と丹田力の効果

丹田は、人体の中心であり、ヘソと命門の間に位置していて直径が8cm位の大きさです。

そして、通常ですと命門より比較的低いところにありますが、下半身の重い女性や痩せた人などは、丹田の中心点がヘソと命門の高さにあるようなこともあります。

しかし、丹田は身体の力が一つに集まるところであり、身体と心が統一するところですので、いったん見つかるとすぐに納得ができると思います。

日常生活の中でも、空いている時間を利用していつでも丹田に意識を集中しましょう。

そうすることによって、直観力が鋭くなり、状況に即した対応能力が増して、その統一された身体の力が心の力と統一されて、相乗的な力が発揮されるようになります。

ナイファンチ(ナイハンチ)の立ち方

大塚博紀師は「提灯を潰さず、落とさずの気持ちで立てばよい」と教えられた。

このことは、腰を落とした安定した立ち方になると手足に力が入り、身体の表面に近い、筋肉群は鍛えられます。

しかし、上記のような不安定で力の入りにくい立ち方で行おうとすると、正中線と丹田を利用した身体の中心部の筋肉や各関節周りの細かい筋肉を使い、身体感覚、バランス感覚が研ぎ澄まされるように工夫することによって、筋力に頼らない「技」ができるようになるのです。

ナイファンチ(ナイハンチ)の立ち方は爪先が内側に向くように入れるが、その目安は親指と反対側の小指の方が前方に両足が平行程度になればよいのです。

膝を外に張りすぎると窮屈になるとともに、膝の内側側副靭帯と足首の腓骨筋支帯や第三腓骨筋腱に負担が掛り過ぎることになります。

まとめ

ナイファンチ(ナイハンチ)の立ち方について解説しました。

そして、型の鍛錬で注意すべきは、相手を想定した突き、受けの動作であっても、その動作を型の中で練習する目的は、体の操作を意のままにただ動くだけではなく、精妙な″術″と呼べるほどのものとして動けるような“体捌き”として学ぶのです。

そのためには、リラックスして平常心を保って、手足ではなく体の中心、すなわち「正中線と丹田」を身体運用の要としてしっかりと体感することが必要不可欠です。

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