呼吸は生きている証拠です。
あなたは一日に呼吸を何回していると思いますか?
日本人の呼吸数は普通で1分間に14~17回と言われています。
仮に、1分間の呼吸数を15回とすると、1時間で900回、1日24時間では、何と21,600回の呼吸をしていることになります。
呼吸は、あなたの行動や精神状態によって、時々刻々変化しているのです。
この決まりきったものではない呼吸の仕方を工夫して心身を活性化する技術が呼吸法なのです。
こういった呼吸法は明らかに、血液や神経組織、更には肉体を浄化するための方法と言えます。
しかし、それだけにとどまらず、活力の源泉となり、病気に対する抵抗力の基盤ともなります。
そのうえ、精神集中によって心をコントロールして神経組織に作用して、心の混乱や苦しみをとり除きます。
今回は、数ある呼吸法のなかでも、実践的で効果抜群の3種類の呼吸法をご紹介します。
重要な3種類の呼吸法|簡単で効果絶大な健康法
ここで紹介する3種類の呼吸法の効果は、数ある呼吸法の中でも血液の浄化効果が高いことです。
いろいろな種類の病気がありますが、そのほとんどは血液の汚れが原因です。
血液の循環がよくなり、血液の質がよくなれば、大半の病気は治って健康になってしまいます。
つまり健康法としてならば、この三つの呼吸法だけ覚えれば充分だということになります。
更に「解脱」へ向けて修行する人にとっても、この三つは重要なので、しっかり練習しましょう。
肉体と精神を整える呼吸法「スカ・プールヴァカ・プラーナーヤーマ」
このスカ・プールヴァカ・プラーナーヤーマは左右均等な呼吸に近づけるために大切な呼吸法です。
基本的には左右交互にするこの呼吸法を続けていれば、自然にバランスが整います。
片鼻ずつ交互に呼吸することで、「左右均等に呼吸する」という意識が、潜在意識層に入り込みます。
そうすると、普通に呼吸していても、左右均等にしようという作用が自然に働きだすようです。
実はこの呼吸法では、そのことが一番大切なことなのです。
やり方
1.右手の人差し指を眉間に当てて、親指で右の小鼻を押さえ、左鼻孔からゆっくりと息を吐きます。
なるべくゆっくりとした呼吸で音は出さないようにおこないます。
2.吐き終わったら、そのまま左からゆっくりと吸い込み吸い込み終わったら、中指で左の小鼻を押さえて息を止めます。
3.3~5秒ほどで親指を離してゆっくりと右鼻孔から息を吐き、吐き終わったら、そのまま右からゆっくりと吸い込みます。
4.吸い込み終わったら、親指で右の小鼻を押さえて息を止めて、3~5秒ほどで中指を離します。
5.1~4を最初から最後まで同じペースで繰り返します。
注意点:
人差し指を当てる眉間の位置は重要で、人差し指を眉と眉の間から擦りあげていき、ピタツと止まるところに充てます。
眉間は精妙な意味での呼吸をしています。
したがって、そこに人差し指を軽く当てることで、眉間の精妙な呼吸を止めることによって、完全に片鼻からだけの呼吸になるのです。
体質改善と洞察力の呼吸法「ウッジャーイー・プラーナーヤーマ」
この呼吸法は吐く息の微妙な音をコントロールすることが最も重要で難しいかもしれません。
鼻腔の奥の一番上にちょうどそのポイントがあります。
やり方
1.ゆっくり息を吸い込んでから、自然に1~2秒ほど止めます。
2.ゆっくりと鼻から息を吐きながら鼻腔の奥に息を当て、独特の摩擦音を出しながら吐くようにします。
3.1~2を音質、音程を変化させずに、音の強さを一定に保って、繰り返します。
注意点:
音の乱れ、にごり、途切れ、むら等がないように気をつけてください。
摩擦音は出る息を束ねるような意識で、鼻腔上部で共鳴させて、芯のある音で無理のない範囲で長めに出せた方がよいのです。
しかし、最初のうちは短くてもしっかりと聞こえる音を出すようにしましょう。
全身浄化の呼吸法「カパーラ・バーティ・クリヤー」
これは頭部を中心とした浄化法ですが、実際には細胞内部の汚れが取り除かれるので全身の浄化になるようです。
やり方
1.腹筋を瞬発的にキュッと締めて、瞬発力で鼻から息をだします。
このとき、意識は頭頂部に持つていき、頭頂部の百会から上へ突き抜けるようにします。
2.その腹筋を締めた瞬間に緩めると、鼻から息が自然と入ってきます。
「フンッ!」という音が出た瞬間に、息の出入りが終わっていなければいけません。
3.1~2の一呼吸が終わったら0.8秒くらいの間を取ります。熟達してきたら静止状態を一秒ぐらいにのばします。
4.1~3を1.3秒に1回ぐらいで16回を1セットとして実施します。
注意点:腹筋を瞬発的にキュッと締めるとき、胸や肩などの、それ以外の部分は動かさないようにします。
呼吸法も基礎が大事!
呼吸法に限らず、どんな分野でも同じですが、基礎の難しさを知り、基礎訓練をしっかりと積んだ人が、その分野で卓越するのです。
基礎をおろそかにしている人は一流にはなれません。
呼吸法の基礎も当然大切であり、高度なレベルになるほど、基礎の難しさが分かってくるはずです。
呼吸法の基礎は「完全呼吸法」です。
したがって、まずこの「完全呼吸法」をマスターする必要があります。
2つの身につけるべき習慣
呼吸法のテクニックを練習する前に、呼吸法を身につけるための根本的な原則が2つあります。
それは「呼吸に意識を向ける」ということと、「ゆっくりと息を吐く」ということです。
呼吸はふだんは意識していません。
そのあなたの呼吸に意識を向けた瞬間から、呼吸はゆっくりしだします。
そのことが、すでに呼吸法の重要な基本を身につけたことになるのです。
そして続けて「ゆっくりと息を吐く」ということを心がければ、呼吸法の「深い呼吸をする」という重要な基礎訓練をしていることになるのです。
この「呼吸に意識を向ける」「ゆっくりと息を吐く」という二つは、いつ、どこでもできることなので、習慣として身につけるようにしましょう。
基本的な呼吸法
基本的な呼吸法とは、最初に練習する必要のあるものということで、簡単なものという意味ではありません。
呼吸法の基礎となる重要な部分なので、むしろ難しいといえます。
このことは、前に記していますので、すでにお分かりになっていることと思います。
この基本的な呼吸法をしっかりとマスターすることが、その先へ進むことがとても楽になります。
また健康法としては、数多い呼吸法の中でも、この基本的な呼吸法が最も効果的でもあります。
完全呼吸法
完全呼吸法とは、自然呼吸、つまり赤ちゃんの呼吸法でもある人間本来の呼吸のこととも言えます。
この完全呼吸法を実行するにあたって重要なことは、呼吸運動に関係した全筋肉が十分に、かつ完全に働けるようにすることです。
それではその方法をマスターしましょう!
1.ゆっくりと息を吐き出すというよりも、吐息ごとに足と腹筋に力を込めて腹を引っ込め、息を絞り出し、押し出す気持ちでおこないます。
2.息を八分目吐いて、あと二分ぐらい残ったころで腹と足の力を少しゆるめて、瞬間的に腹の力を緩めてから、ゆっくりと息を吸っていき、腹がふくらむくらいまで吸い込みます。
2.そのまま更に胸を前に突き出す感じで胸郭を広げながら、吸い込んでいきます。
3.胸郭が広がったら、続けて肩を上げながらもう少し吸い込み、吸い込み終わったら自然に2~3秒くらい止めます。
4.そこから、まず腹を引っ込ませながら息を吐いていきます。
5.次に胸を元に戻しながら吐いていき、続けて肩を下げながら吐いていき、腹、胸、肩が普通の状態に戻ったら、最初に戻って繰り返します。
この完全呼吸法を毎日10回ずつ練習を続けられれば、霊性の向上に結びつくといわれています。
そして、肉体的な疾患はほとんど解決できるだろうとのことです。
まとめ
まずは、実践的で効果抜群の3種類の呼吸法を極めましょう!
そのためには、「完全呼吸法」をマスターする必要があります。
呼吸法は、運動のような体力も必要とせず、方法論も非常に簡単です。
従って、老人や寝たきりの病人でもでき、年齢や性別、体力などとは関係がありません。
そのうえ、効果は絶大で、他のいかなる健康法に優るとも劣らずであります。
是非、呼吸法をマスターして、あなたのこれからの人生に役立ててください。