下腹を鍛えるクンバハカ法
 

下腹(丹田)を鍛えるクンバハカ法は生命に大きな悪影響を及ぼすようなストレスから身を守り、感情コントロールにもっとも効果的な方法として神経反射の調節法と名づけられていて、神経系統の生活機能を向上させることができるメソッドです。

 

あなたがすぐにビビってしまう、アガってしまう、気が弱い、気が小さいという性格であったり、感情のコントロールが思い通りにできないならばとにかくおすすめです。

 

それを体得することによって、あなたの心身が自分でも信じられないほど、見違えるように変わってしまうたいへん効果のあるものです。

 

ちょっとした方法でもって、それがあなたのものになってしまうと、今までの苦しみはなんだったのかなと思うほど幸福を感じますから、ぜひともマスターしてください。

 

下腹(丹田)を鍛えるクンバハカ法とは

 

ヒマラヤの山麓に伝わっていた肉体を霊体化して「もっとも神聖なる状態」するためのクンバハカ密法がありました。

 

これを中村天風師が若き日にヒマラヤ山中での修行で自ら習得して日本に持ち帰り、人生を充実させるために神経の反射作用を調節して心の乱れを防ぐ方法にしたものです。

 

まずその方法ですが、あなたが、感覚なり感情なりの衝動、ショックを受けたり、心に怒り、悲しみ、恐れといったような消極的感情が起こったら、とりあえず、一番初めにやらなくてはならないものは、肛門をキューと締め、同時に、臍下丹田いわゆるヘソを中心とした下腹にグッと力を入れ、肩の力を何気なく緩めめるんです。

 

この3つのことを別々に、ゆっくりやってはダメです。

 

肛門、下腹、肩を三位一体として同時に横隔膜をグッと安定せしめて、全生命の重心を臍下丹田に押し付け、肛門を締めるのです。

 

この方法によって人体の急所とも言うべき神経叢の動揺を瞬時に平常の状態に回復するばかりでなく、神経の生活機能を旺盛にし、内蔵の全ての調子もよくなり、息切れなんてものはなくなってしまいます。

 

そのことから精神の安定を取り戻すと同時に肉体の被る悪影響を最小限に食い止め、同時に生命力の損失を少なくするという素晴らしい効果を収められるのです。

 

下腹(丹田)を鍛え精神の安定を取り戻すための3つのポイント

「肛門、下腹、肩」の3か所を、肛門を締め上げ、下腹に力を充実させて、肩の力を抜く、という説明だけを聞くと、なんだそれだけのことか、と思われるかもしれませんが、実際はこれが中々難しく、出来たようで出来ていないのがこのクンバハカです。

 

したがって、まずは「肛門、下腹、肩」の3つのポイントをよく理解することから始めましょう。

 

(1)肛門を締めると仙骨神経叢の動揺を防ぎ骨盤神経の安定を保つことができます。

 

この肛門をしめることの大切なことは、「止気の法」と言われて、禅においては気の逃げ失せるを防ぐ方法として伝えられています。

 

日常生活の中で、特に公の場で人前に出なければならないときや 重大な場面に臨む前には、精神緊張のあまり大小の便意をもよおすことがあるでしょう。

 

これは直腸や膀胱の機能を支配する仙骨神経叢が異常に興奮し過敏に働くためなのです。

 

そのほか、突然驚きの念に襲われたとき、失禁したり、妊産婦に陣痛が始まったりするのも同様に神経叢の動揺によるものと言って良いでしょう。

 

(2)第二に肩の力を抜くことで横隔膜神経叢の動揺を防ぐことができます。

 

よく思いがけない出来事に出会ったり、大事な場面に臨むと、「うわずる」とか「あがる」とかいう状態に陥りやすく、この時は必ず肩に力が入り肩が上がっているものです。

 

それにつれて横隔膜が引き上げられてしまうことになって横隔膜神経叢が動揺することになるのです。

 

こうした場合、肩の力をぬくことによって、「うわずる」とか「あがる」という状態を抑えることができるのです。

 

日常の経験でも、何かにハッと驚いた瞬間、肩が上がり横隔膜の俗に言うみぞおちのまわりが空になった体感があるでしょう。

 

恐ろしいことや悲しい出来事にぶつかった刹那、キューっとみぞおちが痛むような気がするのもこの神経叢の動揺しているせいです。

 

肩の力を抜き緊張を緩めることによってこの動揺はすぐ治まります。

 

柔道、剣道、空手、相撲、ゴルフ、野球その他あらゆるスポーツや武道で、肩に力を入れるなというのも、この理由によるのです。

 

さらに肩の力を抜くことによって心臓神経の動揺を鎮めることができるので驚きや恐れによって心臓のドキドキするのを平常にすることができるし、また総頸動脈神経が安定するので脳への血液の流れを正常化するといったように生理的にも大きな効果を生むことが実証されています。

 

(3)下腹部に力を込めるというのは昔からいう臍下丹田に気を込めよといったのと同じ意味です。

 

しかしただ単に下腹部に力を入れると、内臓に重圧がかかり内臓器官の下垂を招く恐れがあるので下の方から肛門を締めることを同時に行うことによって内臓諸器官の安定を保つことができます。

 

なお下腹部に力を込めることを生理学的に説明すると腹腔神経症の動揺を鎮め腸間膜神経の安定を保つ効果があるのです。

俗に怒った時は腹が煮えくり返る思いがするとか、悲しい時は断腸の思いとか言うが、これは右の神経系統の動揺状態を表現した形容であるが、事実これらの消極的な情動によって、腸は異常な動きをします。

 

下腹部にぐっと力を込めることによってこれらの神経系統の動揺はおさまり、さらに腹圧によって内臓に分布する副交感神経の抑制作用が活発に働いて、神経系統全体の調和が維持されます。

 

従って胃腸の消化、吸収の働きは正常化し、活発にしかも調子よく行われることになるのです。

 

クンバハカ法を習慣化するコツ

 

肛門、肩、下腹の3ヵ所を同時に上記のような状態にするのであるが、最初のうちは3ヵ所を同時にそうすることは難しいので練習の順序としてまず初めには右の3ヵ所のうち特にやりにくい肛門を締める練習から始めると良いでしょう。

 

それも時折思い出して締めるというのではなく日常の些細な一挙一動の動作にも肛門を締めて行動する癖をつけることです。

 

そして肛門がいつでもとっさに締められるようになったら、次に肩の力を抜く癖をつけ最後にした下腹に力を入れる練習をしてから初めて3ヵ所同時に行なう練習をするのです。

 

何と言っても外界から急激に強烈な感覚的刺激やショックを受けた時、例えば地震、火事、雷鳴、交通事故など天災人災にあった時はもとより暑さ、寒さなど温度の急激な変化、外傷や手術などの苦痛に対してもこの調節方法は精神的動揺や肉体的苦痛をまたたく間にやわらげます。

 

一方心理的な面には、心に怒りや恐れや悲しみなどネガティヴな情動が生じた時、この方法を行えば、たちまち平常心を取り戻すことが出来るようになります。

 

しかしながら、普段の習慣としていちばん大事なのは、肛門をしょっちゅう締めることです。

 

何をするにも、気が付いたら常に、肛門が締まっていると何にも変化は起りません。

 

そこで、習慣をつけるのにいちばんいい一石二鳥の方法があるんです。

 

いま言った体のもち方を応用しながら、折あるごとに時あるごとに、日に何千回でも、意識的に深呼吸をすることを稽古するのです。

 

そうすると、ひとりでにこの良き習慣が、いざというときに特別に意識を用いなくても、肛門が締まって、肩が落ちて、おなかに力が入るようになっています。

 

深呼吸のやり方

 

肺の中の悪ガスを出すことが大事なので、先ずは息を吐き出す。

 

そのときに、肛門は締めておいて、肩だけ落として、腹のほうは考えないで、息を出すだけ出します。

 

出しちゃって、出切ったなと思ったときに、改めてまた肛門を締めて、肩を落としておいて、息を吸い込みます。

 

いっぱい吸い込んだときにおなかにぐっと力を入れて、そしてまたパーッと出すのです。

 

そういう呼吸法をやっていると、いざというときに神経反射の調節法がパッとできるばかりでなく、落ちついた気分が求めずして自分の気持ちのなかにでてきて、今までのように感情や感覚にやたら引きずり回されなくなるのです。

 

心身両面の驚くべき効果!

 

肉体的効果

 

(1)血液循環が良くなる

(2)消化吸収の働きが活発になる

(3)従って下痢や便秘を防ぐ

(4)血圧が正常化する

(5)自然治癒力が増進するので病や怪我の治りが早い

(6)疲労を感じない

(7)総じて強健な肉体となる。

 

精神的効果

 

(1)頭脳常に明快

(2)精神的に安定するので些細なことに怒らず、恐れず、悲しまず

(3)胆力ができる

(4)虚心平気の心境を保ち売る

(5)対人的には同化力旺盛となり、人間的魅力の持ち主となれる

 

数えれば、その効果はこの方法を体得した者のみが獲得できる多大な恵みと言えます。

 

神経反射調節方法(クンバハカ法)はあなたの人生を変える!

 

神経反射調節方法(クンバハカ法)はあなたの生活のあらゆる方面に大きな効果を発揮します。

 

繰り返しになりますが外界から刺激やショックで感覚的に苦痛を受けた場合や精神的に情動のため心が動揺している場合のほか、日常他人と接触する場合もこの体勢にある時、落ち着いて応対することができます。

 

まして多勢の前で発言したり、商取引その他対人折衝の場合などにも用いてその威力を知ることができます。

 

あるいはどんな種類のスポーツの練習にも、まして、試合に臨んだ場合にこの方法がどれほど役に立つかは多くのスポーツ選手が実体験しています。

 

また柔剣道、居合、空手、合気道、弓道など武道諸般においても、この方法が心身両面において、基本的に必要な虚心平気の心持ちと、神経系統の安定性と積極性を保持するのに非常に有効であることは、実験済みです。

 

さらに能楽、謡曲、書道、彫刻、絵画、音楽などの芸道においても、誰でもが驚くほど素晴らしい進歩をを実感するでしょう。

 

心身いずれの面からも絶えず危険にさらされている現代人は命を守る要具としてこのクンバハカ法を身につけ、いつどんな場合にも役立つように心がけることは最も賢明な生き方であることは間違いありません。

 

人生はたった一度!二度と再びこの世に生まれてはこれません。

 

だとしたら、もっと生きがいのある状態でいきるために、この身体にも精神にも非常に効果の高い方法の習得をおすすめします。